雑記

売上はすべてを癒す

今日も投資とは関係のない話。

ふと思い出した言葉。

「売上はすべてを癒す」

諸説あるがダイエー創業者である中内さんの言葉として有名だ。

あらゆる業種であっても共通する言葉だと思っている。

時に売上市場主義を意味する言葉として否定的に使われる事もある。

日本の人口減による経済の縮小の中で売上追求にも限界があるからだろう。

今日は「売上」について自分の思う事をブログに書いていこうと思う。

やっぱり売上はすべてを癒す

「売上はすべてを癒す」

現在においてもどのベンチャー企業でも当てはまる事は間違いないだろう。

先行投資や販管費率も売上さえ上がれば適正となる。

とにかく売上が上がればプラスの方向にスパイラルが動き出すんだ。

売上が良い企業は社内の空気がよく、離職率も低い。

売上が伸びると、それまで問題とされていた事が自然と消えていく。

自分で事業をしてみると身に染みてわかる。

事業を立ち上げて初期の頃は

売上が小さいと原価、賃料、人件費、すべての経費のバランスが合わない。

一方で売上が上がればすべて適正に収まる。

何にせよ売上が上がれば従業員の意欲は上がるし、

消費者から「売れている認定」されれば評価も一段と上がる。

売上が上がれば「全体最適」される。

売上とは資本主義の大きなマーケットでの

顧客からの支持率みたいなもんじゃないのか?

ニーズに応える事ができれば売上は上がるんだ。

未だに大きな赤字を叩きながらも巨大な時価総額を誇るベンチャーが存在するのも

最終的に売上がすべてを癒すと思っている投資家がいるからだ。

売上を減らそう

それでも時代は変化し、

事業者によっては売上市場主義からの脱却に挑む方々が現れた。

自分が属する飲食業界でいえば、

「売上を減らそう」で有名な京都にある佰食屋オーナー中村朱美さんだ。

個人的には売上を減らすという概念ではなく売上上限を決めている

ビジネスモデルという理解だ。

「100食限定」というのがこのモデルの核となっていて、

食材ロス率を抑える事ができ人件費、水道高熱費などの変動費も

ほぼ固定費化できるというのが大きなメリットだ。

(飲食業は食材ロスによるコストが大きい)

100食限定と決め打ちすることですべてが最適化される。

ただ100食完売する前提のビジネスモデルなので、売上が下がれば脆い。

消費者側にこちらの都合に合わせてもらわないと成立しないので、

(欲しい時に無い等の不便さ)

その不都合を打破できる商品力と付加価値が必要になってくる。

(逆にいうと無限にある訳では無いというのがプレミア感を生んでいるのか)

そこそこの立地で100食完売させられる集客力という点においては再現性は小さいか。。

最近ではコロナの影響を受け、

2店舗閉店に追い込まれ従業員を解雇するに至った。

飲食業特有の内部留保の少なさが影響したのかもしれない。

さらにFC展開を想定して営業されていた佰食屋1/2も閉店の決断をされている。

しかし中村朱美さんは新たなチャレンジを予定されているみたいで

勉強させていただく意味で楽しみにしている。

長時間労働、低賃金の飲食業界に一石を投じた中村さんの功績は大きいと思う。

売上最小化、利益最大化

EC業界からももう1人、

「売上最小化、利益最大化の法則ー利益率29%経営の秘密」著者の木下さんが率いる

北の達人コーポレーションだ。

「5段階利益管理」という独自の手法で無駄な売上を小さくして高利益を確保する仕組みがある。

詳しく記述は控えるが、一見、粗利益で稼いで見える商品でも

最終の商品ごとの営業利益で見ると利益貢献してない物がわかる仕組みだ。

(気になる人はぜひ読んでみてください)

そもそも利益とは付加価値であり、売上自体に意味は無い。

1万円の仕入れで1万円の売上が上がっても無意味なのだ。

(利益ゼロ=付加価値ゼロ)

当たり前の事を言っておられるが事業者になってみると

無意識に売上が目的になりがちだ。

しかし売上は手段であって目的ではないのだ。

つい利益が足りないから売上をもっと上げねばと売上指向になってしまう。

(曇りなきマナコで見定めよ)

そして売上指向の脳みそに響く言葉がある。

売上10倍は「リスク10倍」だ。

利益が同じ場合、売上が多い方がリスクは大きい。

経営していると実感するが、想定外のアクシデントは常に起きる。

そしてアクシデント量は利益ではなく売上に比例する。

商品数、顧客数などが多いからだ。

「売上最小化、利益最大化の法則」ー木下勝寿

さらに北の達人コーポレーションは

売上がゼロでも2年間は経営を維持できる内部留保を確保されている。

何かアクシデントがあって無収入の状態でも

2年の時間があれば事業の立て直しを図れるってことだ。

内部留保が少ないと有名な飲食業界に身を置いてる

くろすけとしても見習いたいところだが、

労働集約型のビジネスモデルには厳しいか。

そもそも健康食品や化粧品などは粗利が高いし。。。

売上について思うところ

結局のところ個人的に思う事としては

売上を無限に追いかける事はないにしても

ある程度の規模の売上が必要だと思ってる。

利益にこだわれるのは強者の戦略であって

弱者には到底無理な話だ。

圧倒的な付加価値を生み出す事ができなければ

いきなり利益率にこだわって自家生産や内製化にこだわっていても

売上規模が小さいと全く意味を成さないだろうし。

ただ以下の2点は常に頭に入れておこうと思う。

  • 売上にはコストが常に付随する
  • 売上はプロセスであって目的は利益

結局は利益を産まない事業は価値がないって事で。。。

なかなかハードな事業環境ですが頑張っていきましょう。

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